せっけんのできるまで
せっけん・脂肪酸のナトリウム塩
R−COONa (Rはアルキル基 C12−C18)
油脂を原料とする場合
CH2−COOR CH2OH
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CH−COOR+3NaOH → 3R−COONa+CHOH
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CH2−COOR CH2OH
脂肪酸を原料とする場合
R−COOH+NaOH → R−COONa+H2O
原料
せっけんに用いられる原料油脂は牛脂・ヤシ油を主体(動植物油脂の混合油脂)として、この他にラード、大豆油、糖油、鯨油の硬化油、コーン油、落花生油、等が用いられます。
ヤシ油を原料とするせっけんは硬くてしかもとけぐあいがよく、あわだちもすぐれているが、しげき臭がわずかにあります。(炭素鎖長が短いので、それに由来するしげき性)
牛脂を原料とするせっけんはマイルドであります。(炭素鎖長が長い)一般に、ほうわ脂肪酸せっけんは硬質でありますが、不ほうわ脂肪酸せっけんは軟質であります。
せっけんは鹸化の際90°C以上で加熱しますが、鹸化の完了したせっけん素地を冷却しますとただちに固化いたします。しかし混練しますと温時は塑性を有しますので、成型しやすくいろいろな形状のものが作れます。そして独得のはだ(Tex−Ture)をもっていて分解性にすぐれ、また低毒性であり合成品でせっけんをつくることは困難であります。
せっけんが今日尚愛され、又2000年以上の歴史を持っている理由はここにあります。
製造工程(鹸化塩析法)
てんねん油脂を原料として、これをカセイソーダ、又は炭酸ソーダで加水分解して脂肪酸とグリセリンの混合物を生成し、これを塩析によって脂肪酸石鹸とグリセリンに分別します。
1)まず、かまに原料油脂を仕込みます。これを鹸化するのに、計算料より2〜3%の過剰アルカリを加えます。カセイソーダ又は炭酸ソーダの20〜30%の水溶液を徐々に加えつつ蒸気をふきこんでこれによってかくはん加熱をおこないます。
2)この場合、当初の油脂とアルカリ液の混合をよくするために少量のくずせっけん又はニガーを加えることもあります。
3)アルカリ液の添加速度、濃度、水じょう気によるかくはんと加熱を適当に調整することによって油脂とアルカリ液を常に均一な乳化状態に保つようにすれば、この両液の乳化物は界面において反応は順調に進行します。
4)鹸化の終了した反応物は粗せっけんとグリセリンのとけあった均一のこう状の層となりこれをせっけんこうといいます。
5)塩析工程
これに食塩(塩化ナトリウム)を適量加えてかくはん加熱後保温して静直しますと、粗せっけん + 水が上部に、食塩 + グリセリン + 不純物の層が下部に分離します。
6)洗じょう工程
下層の廃液を抜きとり、分離した上層に少量の食塩を加えて塩析をくりかえすと更にせっけん層の純度は、増します。
7)仕上工程
最後に得たせっけん層にカセイソーダを少量加えてせっけん中にある未鹸化物を完全に鹸化します。こうして得たせっけんを注意深く塩析しますと上部に純良な仕上せっけん(ニードソープ)下層に低品質せっけんのニガーが分離します。
この仕上せっけんは配合、かんそう、成型などの次の工程に回わり下層の低質せっけんは、一部は次回の鹸化の際の乳化剤として使用する他、更に工程を加えて低級なせっけんとして回収します。
以上の工程はすべて、同一鹸化釜中で行われます。
得た仕上せっけん(ニードソープ)の組成はだいたい次のようになります。
純せっけん分 69% グリセリン 0.4% その他のアルカリ 0.1%
水 分 30% 食 塩 0.5%
又、各工程で生じた下層の廃液はグリセリン、水、食塩、不純物の混合物でありますからこれを集めて濃縮すれば食塩と粗グリセリンが回収されます。
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